大きな志を胸に小さな音楽教室を始めて、早いもので35年が経ちました。
その間、多くの方々のご理解とご支援に恵まれて、
当教室は途切れることのない歴史を刻み続けています。

そして今、大切に育て上げて来た若い力が、
更なる高みに向かうべく多方面で音楽活動や指導に取り組んでくれています。

20代のある日、思うところあって「生涯を現役で過ごす！」為に、音楽と共に歩む決心をしました。
当時、学生であった私は、多くの先生方に教えを乞う機会を得て成長しつつありました。
そのような日々、私の心に特に深く感銘を与えた恩師は、
必ずと言って良いほど、口述にとどまらない実技による的確な指導、温もりのある演奏を聴かせて下さったものです。

指導者はとりもなおさず学習者であるべきだと私は考えます。
「指導者という立場に甘んじることなく、表現者として音楽に正面から向き合い、自らも学び続けるあきらめない姿勢を子供たちに見せることこそが教育本来の姿である。」
この信念のもと、長きにわたり教室運営に真摯に取り組んで参りました。

ある日のレッスンでの出来事でした。
突然、ある女の子が、「先生 私の手 先生の手と交換してほしいな」と。
手を交換することは出来ませんが、先生である私の「思い」をこめた演奏は、素直な子供の心に響いていたのですね。
あの子はきっと思っていたのでしょう、「先生みたいに弾きたい！」って…。
今も、初心に少しのブレもなく、音楽を通して子供たちと向き合う毎日です。

レッスンの後、ひとりひとりの子どもたちの「笑顔」を確認してお家にお返ししています。「今日もがんばったね！」の声とともに…。
一緒に学び、そして一緒に楽しみましょう♪